こだわりの日戻り漁
日戻り漁と沖合漁業の漁の方法について説明です。漁の行い方の違いに」よって水揚げされる魚の種類や鮮度の違いがあります。
何故、日戻り漁の魚にこだわるのか?
こだわるのには理由があります!
日戻り漁は、港から近い魚場で漁を行います。その為に、漁が終了後すぐに港に帰り、魚を市場に流通させる事が出来ます。
定置網漁では、港を出てから漁を終え、港に帰ってくるまで2~3時間程です。釣り漁においても、港を出てから漁を終え、港に帰ってくるまで12時間と掛かりません。
一方、沖合漁業では、一度の漁に3~7日間ほどの日数を掛けます。港を出てから何日間か漁を行い、数日間の漁の魚をまとめて港に持って帰ってきます。その為に、港に魚が揚がってきた時にはすでに船内で何日かを経過しているのです。
だから、日戻り漁の獲れたて鮮魚と沖合漁業の獲れたて鮮魚は違うのです。
日戻り漁の魚と沖合漁業の魚
日戻り漁と沖合漁業のそれぞれの長所短所について説明しております。
日戻り漁と沖合漁業、表のように特長に大きな相違があります。
大きく分けると、鮮度重視の日戻り漁、安定供給と低価格の沖合漁業となります。
刺身で食べたり、飲食店等で利用するような何よりも鮮度を重視する場合は、 日戻り漁の魚が中心。
干物に加工したり、スーパーのように安定的に量を確保する事が必要な場合は、沖合漁業の魚が中心。
上記の様に用途に応じて使い分けが必要です。
どちらか片方だけで事足りる訳ではありません。
双方の長所を生かして使い分ける。
それが一番大事なことです。
数少ない日戻り漁の魚
水揚げ量が少なく、減少している日戻り漁の魚。
日本国内で水揚げされ流通している数多くの魚の中で、日戻り漁で水揚げされる魚は、平成24年度の統計では、たった22.4%にすぎません。
平成21年度は、23.6%となっており、その割合は、他の漁業と比べても大きく減ってきています。
流通鮮魚の25%にも届きません!
国内で流通している鮮魚の多くは、沖合漁業や養殖の魚です。沿岸の日戻り漁で水揚げされる鮮魚は、魚の総生産量のたったの22.4%です。
天然鮮魚の30%にも届きません!
生産される天然鮮魚の29%が日戻りの沿岸漁業で水揚げされた魚です。沿岸漁業で水揚げされる魚は、たった29%の割合しか占めず、7割強の魚は、沖合漁業や遠洋漁業で水揚げされた魚です。
その為、漁港に水揚げされた時点ですでに数日たった魚となります。店頭に並ぶのは、さらにその後と言う事になります。有名な大きな漁港で水揚げされる魚の大半は沖合漁業による魚の水揚げです。
同じ水揚げ直後の魚と言っても違いがあるんです。数少ない日戻り漁で水揚げされた新鮮な魚をぜひとも味わってもらいたいです。